freeeにいる3人のヘンな社員。価値基準を象徴するタケノコ人材とは

前回の「freee佐々木大輔が爆発的に成長した20代の過ごし方」では、佐々木大輔氏の破天荒な経歴とその考え方について掲載したが、今回は佐々木氏が求める社員像について、freeeの文化を象徴する3人の社員を挙げてもらいながら、「タケノコ人材」の姿について語ってもらった

Googleでの採用基準がfreeeの採用基準になっている

——佐々木さんはGoogleに移る以前、28歳ですでに4回転職をしています。

佐々木大輔(以下 佐々木) こんな転々とした経歴の人間を、Googleもよく採用するなという感じですよね。

freee

佐々木 freeeでも、この「よく採用するな」という感覚は大事にしています。たとえばfreeeには31歳で司法試験に落ち、無職・職歴なしという状態だった社員がいます。彼は会社設立当時、知人の紹介で採用面接に来てくれて、第一号社員としてジョインしてくれたのですが、今では開発チームの責任者をしています。彼はプログラミングがまったく出来ませんでしたが、入社してから1年で25万行のRubyコードを書いて、エンジニアとしてもすぐ一人前になりました。その他にもリーダーシップやビジネスに対する思いが強い人間だった事もあり、現在のポジションに落ち着いています。

freee
トイレにはfreeeの掲げる価値基準をキャッチフレーズ化したポスターが掲示されている。こちらは「アウトプット思考」バージョン。アウトプット力の高いエンジニアがfreeeには多い(佐々木氏のブログにも紹介がある)

——どうやって見極めたのですか。

佐々木 いえ、一切見極めてないです。理由は大きく二つあって、一つは信頼している友人の紹介だったという点。もう一つは、仕事でわからないことが出てきても、自ら進んでよく調べる人だったからという点。よく「僕、仕事したことないからできないです」という人がいますが、彼に関してはそれが一切ありませんでした。自分に制限をかけない姿勢というのは大事だなと思います。この採用基準には、僕がGoogleで経験してきたことが生きているかもしれません。

失敗を恐れない勇気からイノベーションが生まれる

——司法試験落ちの彼は「freeeだったからこの人物を活かせた」というような好例ですね。

佐々木 ほかにも色々な人間がいます。たとえばマーケティングチームのリーダーは、就活をし忘れ警備員のバイトで生計を立てていました。彼もfreeeの価値基準を本当に代表するような人物です。面接のときに何が出来るのかと聞いても、「掃除とかですかね」と言ってのけるような人で(笑)

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佐々木 その時点ではこれはだめだなと思ったのですが、彼はその晩、数十ページにも及ぶ企画書を送ってきました。一つ一つのアイデアは飛び抜けてはいなかったのですが、考えた形跡が見えたため、これは採用でいいのではないかと思ったんです。本人の大学時代の専攻はマーケティング。マーケティングの仕事をどうしてもやりたかった、という思いが伝わったところも良かったです。

——まさに努力と根性ですね。/p>

佐々木 実際に彼が仕事をしはじめてから、小さなアイデアを50個くらいすぐに言えるというのは重要な能力なんだと気付かされました。数多くのアイデアの中には、一つ二つはイノベーションがあるし、そういう人はフィードバックを恐れない。頭のいい人はアイデアが恥ずかしくて言えないケースが多いんです。ダメと言われたら怖いし、パーソナルな問題と受け止めてしまう。警備員だった彼は、別に英語が出来るわけではないのですが、海外マーケティング事例も率先して調べ、それを社内に発信しています。今やっていることを徹底的に「よりよくできるかもしれない」という想いで挑戦し続けところは、本当大事だなと思います。

理想ドリブン
こちらもトイレに掲示されているポスター。「理想ドリブン」バージョン

メールの返信がなぜか5秒で返ってくる

——freeeに入ってからの成長スピード、これがまさに「タケノコ人材」を象徴するものなんですね。

佐々木 ほかにも面白い例があります。元々メーカーの情報システム部門で働いていた人間が、新卒2年目でつまらないと感じ、freeeを受けに来ました。が、エンジニアだと採用は厳しい感じでした。しかし面白い人間だったいうこともあり「マーケティングはどう?」と聞いたところ内定承諾。彼はメールの返信がなぜか5秒で返ってくるんです

——異常な早さです。

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佐々木 それが面白かった。当初はマーケティングをやっていましたが、今はビジネスデベロップメント、主にアライアンスとかをやってくれています。そして今はデータサイエンティストに。先日、会社設立に必要な書類が自動で作成できる、「会社設立freee」というサービスをリリースしましたが、そのプロジェクトのマーケティングはすべて彼が片手間で担当しています。クックパッドからきた凄腕エンジニアと元DeNAのデータサイエンティスト、合わせて3人のチームで、わずか3ヶ月でサービスを作ったんです。早さのなせるワザだなあと感心しました。やはり「与えられた役目」や「以前やってきたこと」に縛られない人は、活躍する場を与えたら大きく成長するんだなあと思いました。

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freee社内の様子

まとめ

freeeの求めるタケノコ人材が社内で多種多様な存在感を放つ中、一つ筋が通っていることがある。それは、どんなことにも前向きに向き合う力だ。出来ないことはないとチャレンジし、失敗してもまた立ち向かう勇気。freeeで働く人々はみな、挑戦者なのかもしれない。

仁田坂淳史
日刊キャリアトレック編集長。出版社での雑誌編集、mixiを経て独立。出版ベンチャー株式会社ZINEを設立。mixiではFind job! Startupの立ち上げを担当し7ヶ月で100万PVまで育てた。