勝間和代が教える!20代後半から資産を増やす方法

 銀行に預金していても、お金が増えない時代。さらに、ギリシャ危機を見ていて「もし預金封鎖が起きたら……」と不安に感じた人もいるのでは? これからの資産の守り方と増やし方について、『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』などの著書を持つ、経済評論家の勝間和代さんに伺いました。

勝間和代さん

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経済評論家。早稲田大学ファイナンスMBA、慶応大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在、株式会社監査と分析取締役、内閣府男女共同参画会議議員、国土交通省社会資本整備審議会委員、中央大学ビジネススクール客員教授として活躍。月例会や毎月の課題などを通して、仕事のスキルアップ、起業や出版、やりたい気持ちの維持をサポートする「勝間塾」を主宰。

資産はどこに保有するといい?

ひとつの商品に投資するのはリスクでしかない

——資産を守るには何が一番ですか? 海外口座を持つとか?

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 海外口座を持つことではなく、海外資産を買うことです。円の価値が下がったり、預金封鎖が起こったりする可能性もゼロではないですから。詳しくは『ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』(上下巻)を参照してください。日本の金融商品だけに投資するのは危険です。1つの商品だけに投資するのはリスクでしかないですよ。リスク判断できないことを前提に、分散投資するのが一番です。

ブラック・スワン―不確実性とリスクの本質』:人間の思考プロセスに潜む根本的な欠陥を「不確実性やリスクとの関係」から明らかにした本。発売直後から、経済・金融関係者の話題をさらった。

インデックス投信で投資先を分散させる方法がベスト

——ご著書にも記載があった分散投資ですね。

 できる限り多くの国に投資をするのが正解ですが、大きくはTOPIXまたは日経平均など日本株式・日本債権・海外株式・海外債権のインデックス型の投資信託(以下、インデックス投信)に、4分の1ずつバランス良く投資するのをおすすめします。インデックス投信ばかりを買うと、全部が一気に上がることがない代わりに、それぞれが補い合うんです。トータルで大幅なマイナスになることはありません。

インデックス投信とは:TOPIXまたは日経平均などの「証券市場全体や特定の証券グループの価格の動きを示す指標」を基準に投資を行い、アナリストやファンドマネージャーを置かない投資信託を指す。投資信託の平均的なリターンを上回り、人件費がかからないので信託報酬(投資信託を保有している間、かかり続ける管理手数料)が安くなるのが特徴。
もっと詳しく→そもそも投資信託とは?

具体的にどこの投資信託を選べばいい?

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信託報酬は0.5%以下、売買手数料は0円の投信を選ぼう

——手数料周りはどうチェックすると良いでしょうか?

 まず、信託報酬は1%を超えると割に合いません。0.5%を超えないものを選んでください。ギリギリの許容ラインは0.7%かな。とくに手数料が割安な日本株式のインデックスには、0.2%くらいのものがありますよ。年間に預ける維持費としてかかり続けるわけですから、取引コストはできるだけ抑えてください。ちなみに、売買時の手数料は0円(ノーロード)が基本です。

インデックスに連動している商品を選ぼう

——目論見書(金融商品の重要事項を説明する書類)では過去の運用実績なども見えますが、それも重視すべきですか?

 インデックス投信で重要なのは、インデックスに連動していたかどうか、です。それが正確であればあるほど、良い商品だといえます。また、過去に儲かった商品ほど、将来損するリスクがありますよ。すでに割高になっているので。高騰した株の銘柄を買うのと同じようなものです。

もっと詳しく→ノーロード投資信託とは?

投資のコツは?

1. 10年スパンで考える

——投資を始めた人にありがちな「勘違い」はありますか?

 たとえば、「元本を増やそう」と考える人は多いですが、これは大間違いですよ。投資の基本は収益金を使わないことです。返ってきた収益金を再投資するから資産が増えていくわけで。一番儲かるのは、優良な資産を長期に渡って保有することに尽きます。1〜2年ではなく10年単位と考えてください。「10年経って損をしなければ良い」という発想でやらないとダメ。

——かなり長期戦……! そういう意味で、口座を頻繁に見ると一喜一憂しそうなので良くないですね。

 月1回くらいの頻度で見ればOKですよ。後で説明しますが、自動引き落としにするなら放っておいても良いくらいです。

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2. とにかく始めてみる

——投資はどうやって始めるのでしょうか? 証券会社に口座を開くことはわかりますが、難しいイメージがあります。

 クレジットカードの手続きって、面倒くさいですよね? 先に言っておきますが、その5倍くらい大変です(笑)。私が主催する「勝間塾」の月例会で、インデックス投信をしているか聞いたら、会場にいた方のうち2〜3人しか、該当者はいませんでした。その2ヶ月後には3割程度の方が、口座を開設してインデックス投信を始めました。

——それでも3割に留まっているんですか。

 5ステップくらいあるので、途中で挫折してしまう人もいるんです。「◯◯のリスクを理解していますか?」みたいな書類を何度もやりとりし、面倒な手続きを終えても、初年度に儲かるのは1万円くらいですからね。それを10年、20年と続けると、数百、数千万円の差が出ます。手続き自体は、スポーツクラブのそれと似ているのかな、と思います。運動しないとダメだとはわかっていても、なかなか入会手続きができない、みたいな(笑)。

3. 月収の2割を自動引き落としして投資に回す

——ご著書では「積み立て投資」をおすすめされていましたね。

 月収30万円の人なら、月6万円(2割)は投資に回して、月24万円(8割)で暮らしてほしいんです。給料日に6万円を自動引き落としするのが良いでしょう。最初から「2割はないもの」とするわけです。そうすれば、1年に元本だけで72万円は貯まりますよね。注意点として、自動引き落とし分の2割は、給料が上がっても割合を変えてはいけません。

——20年続ければ単純計算で、1400万円以上を投資に回したことになります。

 きちんとポートフォリオを組んで、年4%ずつ増える状態で放っておきましょう。最近は20年で倍まではいきませんが、2000万円近くにはなりますよね。銀行の普通預金や定期預金に入れているのとは大きな差です。そもそも銀行口座に入れたお金は使ってしまいがちですし。

4. 現金が必要な場合は債権を取り崩す

——投資に回すお金を除いて、銀行の普通預金には、どれくらい入れておくと良いでしょうか?

 3ヶ月分くらいの生活費や各種支払い(生活費とクレジットカードや水道、電気料金など)に使える金額を入れておけば問題ないです。大きい買い物をしたくて、即座に現金が必要な場合は、債権を取り崩してください。1週間もあれば現金になって手元に入ってきます。債権を組み込んでいるのは、そういう緊急時に備えられるからです。債権は減りづらい代わりに、大して増えないので、極めて貯金に近いんですね。それでも定期預金よりはマシ。

もっと詳しく→積み立て投資とは?

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5. 情報に敏感になる

——投資の情報収集はどうされていますか?

 私は金融の出身ですので、上場商品についてはインデックス任せで、情報収集はあまり意識していません。ファンドマネージャーですら「インデックスのほうが良い」と公言しているくらいですから。それでも彼らと「手数料の安いインデックスは何か?」「最近出た◯◯のインデックスは良いね」など、商品性について話をすることはありますね。

——やはり投資のプロたちとの会話を通じて情報を得ているんですね。金融畑にいない人にはご縁のない相手かも。

 だからWebを活用してほしいんです。「インデックス投信」と「ドル・コスト平均法」というキーワードで、いろいろなサイトを見てみてください。最新の情報が載っていますから。他は勉強会に参加するのも良いですね。勝間塾でも「インデックス投信勉強会」などがありますよ。投資を得意とする方が、手続きについてレクチャーすることもあります。

ドル・コスト平均法:値動きのある金融商品を購入する場合に、毎月一定金額ずつ購入することで、毎月一定数量ずつ購入するよりも、安い平均取得価額で投資できるメリットがある。
もっと詳しく→第180回 ドルコスト平均法について整理する

まとめ:初心者であれば、まずはインデックス投信を買ってみよう

——ひとりだとくじけそうですが、そういった場だと励まされてがんばれそうです。

 勝間塾に参加し、私の教えたことを信じて長く続けてきた方は、当時の投資金額の1.5〜2倍になっています。リーマン・ショック後に暴落したものの、信じて買い続けた方たちですね。途中で増えてくると、皆信じ始めるんです(笑)。最初は月々1万円ずつ、インデックス投信を買ってみてください。どうしても不安な方は500〜1000円/月でも始められます。少額だと手数料が割高にはなりますが。

——感覚をつかむには実践が一番、ということですね。ありがとうございました!