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荒野で武器を拾いながら走る。ブロガー/編集者・清田いちるさんの習慣を知りたい(前編)

清田いちる

“習慣”は人を作るもの。とくに現在まで長期間かつ継続的に行っていることは、その人にプラスの影響をもたらす良い習慣といえるでしょう。本連載では、社会の第一線で活躍するビジネスマンに、今まで継続している良い習慣を10個紹介していただきます。

今回ご登場いただくのは、日本版ギズモードの初代編集長を務め、また、人気ブログ「小鳥ピヨピヨ」を運営するアルファブロガーとして活躍されている清田いちるさん。清田さんが続けている10の習慣を聞きました。

1. やりたいことは態度で示す

いまでこそ編集やブロガーなどをやっていますが、もともと学生時代にやっていたのはダンス。当時からセミプロとして仕事もしていました。最初は就職する気も湧かず、ダンスに関わる仕事をしようと思っていたんです。

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アイキャッチの撮影時には華麗なダンスを披露してくれました

ダンスに関わる仕事ではなく、一度サラリーマンをしてみようかなと思ったきっかけは就職氷河期が関係しています。友達は大変な思いをして就活していましたが、こんな大変なときに就活する経験は二度と得られないはず。「苦労は買ってでもしろ」ということで、就職活動をすることにしたんです。

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こんな感じで

面接に受かったり落ちたりしていく中で、パソコン通信のニフティに出会いました。当時はまだまだインターネットすらないIT黎明期。もちろんニュースサイトもSNSも何もありません。

でも僕には不思議と、パソコン通信がメディアに見えたんですよね。テレビディレクターや雑誌や書籍の編集者になる感覚で、ニフティに就職しました。

編集者になったつもりだったので当然企画やる気満々です。しかし配属されたのはカスタマーサポート。思い描いていたのとは全く逆の仕事で、それはもう落ち込みました。同期には毎日「明日辞める」と言っているような有様でした。

でも僕は辞めませんでした。代わりにサポートに配属されたその日から、ことあるごとに「企画の仕事をしたい」と言い続けたのです。

「まだ何の仕事もできないじゃないか」と言われたので、その部署で一番仕事のできる人間になろうとしました。とにかく実力をつけようと努力を続け、部署外でも知らぬ者はいないくらいの存在になり、5年かけてようやく企画の部署に行けました。

後に人事の方に聞いたところ、僕があまりに「型破り」なので(要はおとなしくないとか常識はずれ、ということですねw)、清田を制御し社会人としての経験を積ませることができるのは、当時社内で最も型破りだったカスタマーサポートの部長しかいないと考えたからだそうです。
名物部長の本名さんには、今では感謝してもしきれないのですが、昔「小鳥ピヨピヨ」で書いたことがあります。

 

それから僕は新規の企画を提案し続けました。誰にも頼まれていないときにも、です。誰かの企画を引き継ぐのではなく、せっかくだから自分の企画で勝負したい。そう思ってのことでした。繰り返しやっていると、短期間のうちに「あいつに◯◯の企画を任せてみよう」となります。

僕は与えられる前に自分から「こういうことがしたい」という態度を見せることで、自分のやりたい仕事にたどり着いて来た気がします。

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2. 成長曲線を意識する

カスタマーサポートの部署は理不尽だらけでした。

直属の先輩はすごい人で、社内で最も乱暴な人と言われていました。入社1日目、「パソコンとか君ら知らないだろう?1台やるから3日くらい好きに触ってみな」と指示されたので、言われた通りに好きに触っていたところ、「何やってんだお前!」と灰皿で頭をガツーンと殴られました(笑)。

さらにカスタマーサポートに連絡してくる顧客は、パソコン通信のことがよくわからないから電話をしてきているわけです。理不尽な要求もたくさんありました。

それでも僕が辞めなかったのは、理不尽を楽しむようにしたからです。社内でイントラネット(当時はそんな名前はまだありませんでしたが)を作って、みんなで上司の強いた理不尽なルールをどうくぐり抜けるかのノウハウやサポートで出会ったひどい出来事を共有できるようにして、自分の置かれた状況を面白がるようにしていました。

ものの本によると、人類は問題点を発見する力を長い歴史の中で磨いてきたそうです。だから放っておくと悪い点や問題点ばかりを見つけてしまう。仕方ないですよね(笑)。

そうではなく、僕は良いところや面白いところを意識的に探し、長所を活かしていくよう心がけています。成長曲線を意識し「自分はできる」と信じ、あきらめないことが大切です。

3. ルールを疑う

カスタマーサポートで働いていたとき、あるお母さんから電話がありました。聞けば息子さんが音信不通になってしまい、生きているかどうかわからないとか。パソコン通信にアクセスしているかどうか教えて欲しい、とのこと。

住所や生年月日や名前で確認したところ、なりすましなどではなく、どうやら本当にお母さんのようです。息子が心配なあまり、パソコン通信なんて自分では絶対にやらないもののところにまで電話をかけてきているのです。

もちろんログインした日時は全て記録されているのですが、個人情報なので、誰にも教えてはいけないきまり。当時の上司や先輩に聞いても、口を揃えて「教えてはいけない」と言います。

お母さんの息子を思う気持ちと、会社から絶対にやってはいけないと言われていることの間で板挟みになって、一時間くらい悩み僕は決断しました。息子さんのログイン日時を、お母さんに教えることにしたのです。そしてそのことを、上司にも報告し、履歴にも残しました。

それ以来、自分の中でルールに対する見方が変わったように思います。ルールはもちろん、守らなければならないもの。しかし情状酌量と言われるような、グレーの部分もある。自分の立場や相手の立場、全ての環境を考慮して、もし自分が全部責任を負うと覚悟すれば、ルールを超えた行動をとる必要もあると思うようになりました。社会人2年目でのことでしたから、今考えても結構な勇気だったと思います。

4. あらゆる常識を疑ってみる

常識についても同じです。そもそも本当に守らなければならないものなのか、自分の頭で考えなくてはなりません。日本では「出会った瞬間いきなり抱きついてキスする」なんてことは常識的にやってはいけないことになっています。でも、国が変われば「抱きついてキス」しなければならないこともあります。

盲目的に常識を守ると、誰かが作った世界観の中で納得いかないまま生きていくことになります。それを繰り返していくと、自分で考え動くことができなくなります。

常識とされているものを守ることによりどんなメリットが生まれるのか。何かデメリットが生まれてはいないか。全てを一度自分の中で整理して、考え直さなくてはなりません

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5. 荒野で武器を拾いながら走る

僕がニフティにいた当時は、インターネットについて誰一人わかっていないような時代でした。パソコン通信は始まったばかり。教育係の上司も経験年数はたったの4年くらいしかない。会社の側になんのセオリーもないから理不尽がまかり通っているし、ユーザーも合計40万円くらいするような機材を買っても文字一つ表示されないから混乱している。それでもすごい勢いでユーザー数は増加していて……そんな動乱期です。

社会人1年生として会社に入ったときには、仕事の仕方やマナーを教えてもらえると思っていたんです。でも全然誰も教えてくれない。全部自分でやるしかなかった。その中で身につけたのが「武器を拾いながら走る」というスタンスです。

働くということは、広大な荒野に投げ出されているようなもの。だから身近に武器を見つけ、それを自分なりの考えで使って自分のミッションを達成していかなくてはならない。もちろん誰かに頼まれてその通りにやる仕事もあります。でも、その時も自分で自分のやる仕事は選びますし、自分がこうすればいいと思う方法でやることを続けています。

清田 いちる
シックス・アパート新規事業担当シニア・ディレクター/編集者/ブロガー。日本版ギズモードの初代編集長(2006年~2012年)。人気ブログ「小鳥ピヨピヨ」を運営(2002年~現在)。現在はシックス・アパートにてエッセイ・コラム投稿サービス「ShortNote」を運営。

「近寄りがたい先輩になってない? ブロガー/編集者・清田いちるさんの習慣を知りたい(後編)」は明日公開です。

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