近寄りがたい先輩になってない? ブロガー/編集者・清田いちるさんの習慣を知りたい(後編)

清田いちる

日本版ギズモードの初代編集長を務め、また、人気ブログ「小鳥ピヨピヨ」を運営するアルファブロガーとして活躍されている清田いちるさん。前編では清田さんが大切にしている「荒野で武器を拾いながら走る」感覚を聞きました。後編ではいちるさんの先輩論や人との距離の取り方を伺います。

6. 自分の居場所で面白い部分がないか探す

ニフティを辞めた後、ギズモード日本版の編集長になってくれないかというオファーをいただきました。そのときはガジェットに詳しいわけでもなければメディアの経験もなく、編集さえやったことがないので、自信もないしやり方もわかりません。

最初はアメリカの記事を翻訳するところからはじめたのですが、英語の記事をそのまま翻訳しても面白い記事にならないんです。だから結局、一旦訳した文を見ながら文章を全面的に書き換える作業をしていきました。これを繰り返していったら、だんだん自分が面白いなと思えるものの幅が広がってきたんですよ。

正式にギズモードの編集長を引き受けてからも、とにかく「僕が面白い」と思えるまで徹底的に記事をリライトしたり組み合わせたりしていくことで、編集経験ゼロの僕は新しいギズモードのトーンを組み上げていったんです。

面白さはたいてい隠れています。それを見つけられるのは自分自身だと思います。

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7. 怖くない人になる

僕は20代の頃、よく「怖い」と言われていました。先輩からは「あいつは全然従わないし、迂闊なことを言うと食ってかかってくる」、後輩からは「なんだか近寄りがたい」と思われていたようです。でも怖いと思われると何かと不便。困った時に助けてもらったり、知らないことを教えてもらいにくい。それに味方もなかなかできません。だからこの20年以上、ずっと怖いと言われないように頑張っています

怖いと思われないようにするには技術が必要です。練習していけば誰でもできるようになるはず。いろいろなバリエーションはあるのですが、相手の立場をちゃんと把握し、ひとりひとりにきちんとカスタマイズした対応をする、というのがそのひとつです。

飲み会で上司に絡まれている女の子がいたらこっちに呼ぶとか、会議で発言しない人がいたら話を振ってみるとか。そういう困っている人をよく見て助けることを積み重ねていけば、いつしか「どうしてそんなに優しいんですか」と言われるようになっていました。

8. その人に60%良いところがあれば他は目をつぶる

20代のときは、できるだけ人脈を広くしようとしていたんです。本当にハードワーカーだったので公私は完全に一体化。「仕事仲間=友達」くらいに思っていました。なかには裏切られたりすることもあったのですが、それも友達のうちだという感じです。

あいつは話すのが下手だとか、あいつは何考えているかわからないとか、あいつは悪口を言っていたとか……細かいことを気にしていたら、人脈はなかなか広がっていきません。そんなとき、「6割良ければ付き合っていい」というみうらじゅんさんの言葉を知り感心したんです。それ以来、できるだけ細かい欠点には目をつぶろう、というスタンスでいろいろな人に接するよう心がけています。

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9. 年齢を忘れる

幼稚園から大学生くらいまで人との距離の取り方がわかりませんでした。みんなに声をかけたりはするものの、クラスのグループに入りたいわけではなかったので、一人でいることがほとんどでした。

でも社会人になったとき、ふと思ったんです。自分はこれまで、人目を気にしすぎてきたかもしれないなと。相手がどう思うかは、もう相手の問題。入社1日目から、自分は自分をそのまま素直に出そうと思ってきました。

年齢や立場を気にしないようにしていることで、自然に親しくしてくれる人が増えていきました

10. 瞑想する

小学生の頃から折に触れて、ときどき瞑想をしています。今は深呼吸1回で済ませることもありますが、昔は長い時間座禅を組んだこともありました。

仕事で難しい局面が続くと、心があやふやになったり相手に引きずられたりして、浮き足立ってしまっているのが自分でわかるんです。そういうときは呼吸が浅くなっているので、意識を集中して深呼吸をします。

ネガティブになったり混乱しているときは、心や思考に囚われすぎているとき。人間は普段、自分の考えていることこそ自分自身だと思っている。でも思考とは浮かんでは消える泡のようなもの。瞬間瞬間で変わっていくものです。

自分自身というのは泡ではなく、泡が湧いている空間の方だという考え方があります。30秒間、呼吸だけに集中すると、その前には何を考えていたのかなんてすぐに忘れてしまいます。自分が思っていること、考えていることなんてその程度のものにすぎません。心や思考に囚われすぎないことが大事です。

だからネガティブになったり混乱しているときは、呼吸にフォーカスし自分をリセットしようとしています。

まとめ

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Six Apartエントランスにある金網は縦12列横31行。社員の誕生日のマス目にそれぞれカラーボールが埋まっているのだとか!

習慣は5年後、10年後の自分に響いてきます。面白いことを考えたり瞑想したり、地味な習慣でも、意識して毎日続けることが大事。この機会に、今一度自分の習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

清田 いちる

シックス・アパート新規事業担当シニア・ディレクター/編集者/ブロガー。日本版ギズモードの初代編集長(2006年~2012年)。人気ブログ「小鳥ピヨピヨ」を運営(2002年~現在)。現在はシックス・アパートにてエッセイ・コラム投稿サービス「ShortNote」を運営。

仁田坂淳史
日刊キャリアトレック編集長。出版社での雑誌編集、mixiを経て独立。出版ベンチャー株式会社ZINEを設立。mixiではFind job! Startupの立ち上げを担当し7ヶ月で100万PVまで育てた。