「面白法人」はカラダがつくる?カヤックCEO・柳澤大輔さんが続ける習慣

“習慣”は人を作るもの。とくに現在まで長期間かつ継続的に行っていることは、その人にプラスの影響をもたらす良い習慣といえるでしょう。本連載では、社会の第一線で活躍するビジネスマンの先輩たちに今まで継続している良い習慣を10個紹介していただきます。
 今回登場いただくのは、面白法人カヤックのCEO・柳澤大輔さん。柳澤さんが大切にしている10の習慣を聞きました。

1. 毎週1時間サーフィンをする

 日々身の回りで起こることや、テレビなどからいろんな情報が頭の中に入ってきます。そうした刺激から離れるには瞑想が良い。とはいえ静かにじっとしながら瞑想するのは眠くなってしまう。それよりも体を動かして、頭を真っ白にする動的な瞑想のほうがしやすいと思います。私にとっての動的瞑想はサーフィン。毎週うまく時間をつくって1時間で5本から10本くらいの波に挑みます。
 サーフィンをしていると体がとてもホカホカしてくるんです。冷たい海水で血管がぐーっと縮まったあと、海から出て血管を広げるという収縮を繰り返すのがいいのでしょうか?サーフィンに行かないときも、熱い風呂と冷たい風呂に交互に入るようにしています。

2. 年に一度座禅断食をする

 食生活を変えるきっかけづくりのため、1〜2年に一度座禅断食に行っています。座禅を朝から晩までやり腹式呼吸をする。体内を空っぽにすると、溜まっていた宿便が出て体内がキレイになるんです。忙しいので毎回3日ほどですが、断食後1週間はお酒は飲めないし、食事制限もある。

yanasawa2
柳澤さんの好物はそば。オーガニック野菜などもよく食べるとのこと

 立場上会食などが入ることもあってか、つい食生活のバランスを崩しがちです。食べすぎや太り過ぎは万病の元。断食は体質や代謝を変えるだけでなく食について見つめ直す良い機会になっています。

3. 炭水化物は2日に1回はとらないようにする

 断食をすると味覚だけじゃなく、食べ物に対する意識も変わっていきます。日頃の食生活を見直して、これからは気を付けようといういいきっかけになりますね。ただ健康維持のために食べるものが限られてしまうのも意味がない。健康になるために生きているのではなく、何かをするために健康でいたいと思っています。
 ですので気をつかうことは最小限。太りやすいから炭水化物は2日に1回ひかえるだとか、添加物が入っているものはなるべく口ににしないようにしようだとか。でもお酒も毎日1、2杯くらいは飲むし、お肉も食べる。厳密な食のルールを決めなくても、体に悪い物は自然と排出されるものでしょう。

Yanasawa4

4. 毎朝15分お腹をマッサージする

 食べ物に気を遣うのも大切ですが、しっかり消化することも大切。そこで按腹(あんぷく)法をはじめました。毎朝15分、おへそのまわりのマッサージです。
 古くは江戸時代にも行われたという健康法で、朝しっかり快適に排便する為の方法ですね。朝の目覚ましにちょうどいいんです。起きてから按腹法をすることで、スッキリした気分で1日のスタートをきれるようになりました。

5. 柔軟体操をする

 40代に入ってから柔軟体操をはじめました。私が実践しているのがいくつかの柔軟体操を組み合わせた真向法(まっこうほう)。20分ほどの体操をすべて終えるとじんわり汗がにじみます。
 前はボディビルをしていましたが、ムキムキになりすぎてしまって(笑)、今は毎日続けられる体操を続けています。体が硬いと老化を引き起こしますから、特に腰はしっかり柔らかくしておきたいですね。

6. 目の体操をする

 目も鍛えないと衰えます。1年前から、老眼予防と焦点を合わせるスピード向上を兼ねた体操をするようになりました。眼球のうしろに筋肉がついているので、伸ばしたり縮めたりする。

Yanasawa6
「眼球のまわりに4つの筋肉がついています」

 筋肉は眼球を囲むようについています。上直筋を伸ばしたら、向かい側の下直筋を伸ばすとか、全体を広げようということを意識するんです。とはいえ足の小指とかと同じで、最初は動かすのが難しい。やっているうちに徐々に動く感覚がつかめるようになります。

7. 週に5冊本を読む

 頭の訓練についても触れていきましょう。本は読むことで思考を深くできる、いうなれば頭の肥やし。ですから忙しいときでも意識的に読むようにしています。おすすめいただいた本はもちろん、世間で話題の本にも興味がありますし、会社でいただいた献本を開くこともあります。
 ジャンルは選ばずさまざまなタイプの本に目を通しますが、特に好きなのは人物伝。なかでも、世間的にはあまり知られていない方の本はおもしろい。馬券を偽造し続けた男の話本を盗み続けた男の人の話超能力を仕事にしている人の話など……世の中にはこんな人がいて、こんな生き方や職業もあるんだとハッとします。

8. 文章を書き続ける

 しかしただ漫然と読書するだけでは「楽しい」という感想だけになってしまいます。本から得た学びを実生活に生かすにはアウトプットが欠かせません。そのために文章を書いて自分の考えを整理します。たくさんの本を読み文章を綴ることで知識が確実になる。インプットとアウトプットが一緒になってはじめて自分の引き出しになるのです。

Yanasawa blog
現在はカヤックのサイトで読むことができる

 文章を書くことで読書のスピードも上がっていきます。私はブログを8年続け、1年休んだあとに最近またブログを始めました。書き続けることでより深い考察ができるようになったなと実感しています。インプットとアウトプットを繰り返し続けているからか、不思議とブログのネタに困ったこともないんですよ。

9. プラスの自己イメージを持つ

 1点だけマインドについても話しておきましょうか。私は毎朝目覚ましをかけて起きるか?というとそうでもなく、自然に目が覚めます。なぜなら決して時間に遅れないという自己イメージを持っているからです。  遅刻癖がある人は、自分は肝心なときに遅刻するというイメージを自ら持ってしまっているのではと思います。悪いクセをイメージしているから行動も悪い方向に行って、結果遅刻してしまう。このように自分のイメージで行動が決まるのです。これは他のことに関しても言えるんじゃないでしょうか?

10. ブレストをし、本音で話し合う

 最後にお話したいのは、脳のトレーニングとしてのブレスト。続けていると考え方や性格が変わるので一番重要な訓練だなと感じています。
 ブレストは数を出すことが目的の会議です。アイディアを数多く出すという思考法を1、2時間続けるということはなかなかハード。そんななかで物事を面白がる視点が磨かれて、結果としておもしろがれる体質や人になっていくのです。それにきちんとブレストをしていれば文句や不満を言うヒマがないので、批判的な思考にとらわれなくなります。ふせんは使わず、口頭で本音を話し合うのがカヤックのスタイルです。

Yanasawa10
呼び出しマイクなど「面白い」がちりばめられているオフィス

 本音を話し合えるというのはとても大切なこと。3人でカヤックを創業したのも、おたがい本音で言い合える仲だからです。嘘をついたり建前だけの関係は長続きしませんし、つまずいたときに戻れなくなってしまう。逆に本当のことを言ってもめたとしても、あのとき言っていたことは本当だったなとわかり合えるときがくる。こうした本音が言える関係から「面白い」が生まれると思っています。

まとめ

 柳澤さんが肉体的なトレーニングに注目するのは、健全な肉体が健全な精神をつくるという考えがあるからだそう。実際に考え方は一朝一夕で変えられなくても、トレーニングならすぐに始めやすいのでは。地味な習慣も意識して続ければ、考え方や行動が変わっていきます。この機会に、今一度自分の生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

yanasawa-prof

柳澤大輔さん

1974年香港生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業後、ソニー・ミュージックエンタテインメントに入社。1998年、学生時代の友人と共に面白法人カヤックを設立。2014年12月東証マザーズ上場(鎌倉唯一の上場企業)。ユニークな人事制度(サイコロ給、スマイル給、ぜんいん人事部化計画)や、ワークスタイル(旅する支社)を発信し、「面白法人」というキャッチコピーの名のもと新しい会社のスタイルに挑戦中。

2016年2月16日 22:17 記事の一部内容を削除しました。

薄井千春

編集者。出版社では雑誌の編集記者として150人超のベンチャー経営者を取材する。事業会社で旅行記事のWebライティングを手がけたのちに株式会社ZINEに入社。得意ジャンルは起業・新規事業動向と旅行。最近気になるのはPCゲーム。