すごいプレゼンを支える技術。TEDで学ぶプレゼンの鉄則3選

 すごいプレゼンには、それを支えるテクニックがあります。鉄則さえ押さえれば、すごいプレゼンは誰にでもきっとできるハズなんです。
 今回はTEDを参考にしながらプレゼンの技術を解説していきます。プレゼンやらなきゃいけない日の前日に必ず見て、話し方の参考にしてみてください。

プレゼンの鉄則

  • 鉄則1 大切なのは度胸と起承転結
  • 鉄則2 意識的に出すメリハリ
  • 鉄則3 聴衆に合わせたすこしのユーモア

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TEDでプレゼンを勉強するメリット

 TED(Technology Entertainment Design)は非営利の講演会組織。彼らが行う講演をTEDカンファレンス(以下TED)と呼びます。ジャンルは多岐に渡りますが、なぜ世界中がTEDに注目しつづけているのか、それは、

 学びがあること

 これに尽きます(今回はその中でも「プレゼン力を上げる技術」のみに注目してご紹介します)。ほかにもプレゼン力をTEDで磨いたほうが良いメリットが2つあります。

メリット1. 参加すると90万円かかるものが無料

 TEDに参加するには90万円以上の年会費を払わなければいけませんが、Webであれば無料で見られるのです。90万円払ってでもナマで見たいと思わせる何かがTEDにはあるんですね。

メリット2. 字幕が付いてる

 ボランティアスタッフの手によって無料の動画に字幕が付けられていますので安心して見れます。

 前置きが長くなりましたがTEDのすごいプレゼンを見どころとともに紹介していきます。

プレゼンの鉄則1 大切なのは度胸と起承転結
—— ウィル・スティーヴン「頭良さそうにTED風プレゼンをする方法」


via.ウィル・スティーヴン 「頭良さそうにTED風プレゼンをする方法」

見どころ

 いかに内容のない話をそれっぽく見せるかというTEDです。いきなり特殊なTEDを紹介してしまいますが、起承転結を忠実に守ったすごいプレゼンです。

  • 0:28 最初に主張を伝える(起)
  • 2:28 伝えたい数字出す(承)
  • 5:07 声のトーンを落としペースダウン(転)
  • 5:33 聴衆に問いかけたまま終え、まとめない(結)

0:28 最初に主張を伝える(起)

 短いプレゼンで強い印象を残すには、まず主張で聴衆を驚かせる必要があります。「何もない」という主張を最初に出すことで、伝えたいメッセージが明確になります。
 日本人は結論を最後に言うとよく言われますが、聴衆のゴールがどこにあるのかイメージさせるために、結論は最初に述べたほうが良いです。

2:28 伝えたい数字を示す(承)

 数字(伝えたいこと)を出すとそれっぽい内容を話している感じを演出できます。グラフや表、生データをスライドに貼り付け、本当に伝えたいことは口頭で説明してしまうプレゼンをたまに見かけますが、それは愚策。本来、伝えたい数字こそスライドで見せるべきです。ここでは数字が主張を補足しています。何も意味ない数字なのにそれっぽく見えます。くやしいけど事実です。

5:07 声のトーンを落としペースダウン(転)

 急にペースや声のトーンを落とし雰囲気を変え、まとめにかかります。もうこうなったらプレゼン者の術中にハマってるとしか言いようがありません。

5:33 聴衆に問いかけたまま終え、まとめない(結)

 ふわっと終わってしまいます。聴衆にモヤモヤを残したまま終わる手法は有効で、何か大切なことを言ったんじゃないか?という印象を与えがち。プレゼンを受けた聴衆は、プレゼン後もプレゼン内容を思い返し、考えてくれることでしょう。

プレゼンの鉄則1

内容がなくても起承転結を意識すればそれっぽく見える。大切なのは度胸と起承転結のテクニック。

プレゼンの鉄則2 意識的に出すメリハリ
—— マルコム・グラッドウェル「パスタソースと幸せについて」



via.マルコム・グラッドウェル「パスタソースと幸せについて」
※ モバイル環境だと字幕が表示されません。この動画はぜひPCで見て下さい

見どころ

 食品業界における完璧なパスタソース追求の真相について語ったプレゼンです。このプレゼン、スライドを一切使わないんですよね。どうすれば口だけで内容が伝わるのか。重要なのはメリハリを意識することです。

  • 6:20 例を早口で列挙し煙に巻く
  • 11:08 「とても重要なんです」と言う
  • 13:17 やっぱり「これが一番大事かも」と言う

6:20 例を早口で列挙し煙に巻く

 このプレゼンでは、伝えたい主題を補完するために、伝えなくていいことや例を早口でたくさん列挙して煙に巻く手法が多用されています。重要でないことを重々しく語る必要はありません。プレゼンの主題をくっきり浮き彫りにする効果があります。

(参考)一つ前のスライド「頭良さそうにTED風プレゼンをする方法」にもこの手法が使われており、スライドと意味のない文言をとにかくまくしたてるように並べていました。

11:08 「とても重要なんです」と言う

 「今から話すことがとても重要です」と前置きして話し始めると、スライドがなくてもメリハリが付けられます。聴衆に、背筋を伸ばしてもらうための枕詞として重要なキーワードです。

13:17 やっぱり「これが一番大事かも」と言う

 ついさきほど「とても重要なんです」と言ったばかりですが、「やっぱりこれも重要」と継ぎ足しています。どちらが重要か、なんて聴衆は意識していません。さっきのも重要だったけどこれも重要なんだと反復すると、聴衆はまた背筋を伸ばして聞いてくれるハズ。スライドがなくても魅せるプレゼンに、ドップリ引き込まれているのです。

 今回ご紹介する3本のTEDの中では長めの17分26秒ですが、プレゼンの内容自体もおもしろいのでゆっくり見ることをオススメします。

プレゼンの鉄則2

意識的にメリハリを出すこと。

プレゼンの鉄則3 聴衆に合わせたすこしのユーモア
—— ロリー・サザーランド「広告マンの人生の教訓」


via. ロリー・サザーランド「広告マンの人生の教訓」

見どころ

 広告マン、ロリー・サザーランドによるプレゼンです。見方を変えることで商品の価値を高める宣伝広告について解説していますが、このプレゼン自体、何気ない商品(主張)をプレゼンの技術によって補完し魅力的なプレゼンに仕上げています。
 笑いのセンスは海外特有ですが、ユーモアの入れどころとテンポは日本人にも大いに参考になるところがあります。技術は見て盗みましょう。
 聴衆がアメリカ人であればこのTEDのようなジョークセンスが必要ですが、あくまでも聴衆の持っている文脈(コンテキスト)に合わせたユーモアを入れることが大切です。聴衆に合わせたユーモア(流行っているマンガのネタ、ネットスラング、流行語大賞、お笑い芸人の一発ギャグ etc.)を入れると良いでしょう。

プレゼンの鉄則3

聴衆に合わせたユーモアを少しだけ取り入れよう

まとめ 凡人のためのTED入門

 スティーブ・ジョブズのプレゼンは魅力的です。しかし、誰もがiPhoneのように革新的な商品・コンテンツを作れるわけではありません。iPhoneを作ればそりゃ自身満々にプレゼンできるでしょうが、ワレワレ凡人としては普通の内容をうまくプレゼンしなければなりません。

 ところでTEDにも以下のように、2つのプレゼンがあります。

  • 普通のプレゼン × 良い内容
  • すごいプレゼン × 普通の内容

我々が目指すべきは後者、普通の内容をすごいプレゼンにする技術を学ぶことです。iPhoneは作れなくてもプレゼンの技術は見て盗めるんです。

 誤解を生む書き方をしますが、最後に紹介したパスタソースを開発した人の話なんて、iPhoneでもなんでもありません。ごく普通の「パスタソースを開発した人」という話でした。ただしすごいプレゼンだったのです。普通の内容をプレゼン力のみで補完した究極のプレゼンだったんです。

あなたもこの機会にぜひ、プレゼンについて学んでみませんか?

仁田坂淳史

日刊キャリアトレック編集長。出版社での雑誌編集、mixiを経て独立。出版ベンチャー株式会社ZINEを設立。mixiではFind job! Startupの立ち上げを担当し7ヶ月で100万PVまで育てた。