それ広告ですよ? 三田ゾーマが教えるステマ記事の見抜き方

はじめまして、新書「ウェブニュース一億総バカ時代」(双葉社)の著者・三田ゾーマと申します。「三田ゾーマ流 ネットニュースの歩き方」というテーマで連載をさせていただくことになりました。今回が第1回目の寄稿になります。

日刊キャリアトレックをご覧になられている時点で、皆さんはなんらかの形で日常的にネットニュースに触れているのだろうと推察します。最新ニュースのみならず芸能ゴシップから豆知識まで、幅広い情報を無料で読めるネットニュース。今や情報収集に欠かせないものですが内部では「広告に見えない広告」すなわちステルスマーケティングが横行していることをご存知でしょうか?

なぜニュースサイトはステマ記事を作るのか

理由は単純。「ユーザーは記事(コンテンツ)を見に来るのであって、広告を見に来るのではない」というところに尽きます。

たとえばテレビのCMがはじまったらトイレに立つ人、いると思います。一方で雑誌の広告ページしか見ない人はおそらくいません。通常、広告はコンテンツよりもユーザーにとって価値が低く、なかなか見てもらえないものです。であれば「コンテンツに見える広告」=「ステマ記事」を作ろうというのがネットニュースの出した答えでした。

実はステマ記事をつくっています

実は私、ニュースサイトの「中の人」として日々ステマ記事づくりに勤しんでいます。皆さんに気づかれないよう特定の商品をオススメしたり、広告主の商品に興味を持つようなデータを紹介したり。そんな生々しいステマづくりの現場やテクニックを知ってもらいたい、その知識をもとにステマに対するリテラシーを高めてほしい。当連載では新書に書いた内容をさらに深堀りする、あるいは最新の事情を盛り込みながら「ネットニュースを安全に歩く」方法を示していきます。

今回は、ウェブニュースのステマ記事づくりでよく使われる手法を逆手にとった「ステマの見抜き方」を紹介しましょう。

【内容】からステマ記事を見抜く

ステマ記事は通常のコンテンツに紛れ込ませてあるので、一見するだけでは見分けがつきません。とはいえあくまで「広告」いたる所に広告主の意図や編集者のテクニックが透けて見えるのです。逆手にとれば、あなたも「これってステマ?」と推察できるようになれてしまうかも。以下でその具体的なテクニックを紹介していきましょう。

ステマ1 新商品じゃないけど「この商品が話題です系ステマ記事」

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ニュースサイトはNEWSというぐらいですから「新しい情報」が掲載される場所です。ところが、まれに発売から数週間ほど経過した商品が不意に紹介されることがあります。例えば「○○社は先月から、△△という商品を発売している」なんて風に……。商品を再び話題にしたい広告主の思惑が透けて見える、最近よく使われる素朴な手法のひとつです。

ステマ2 普通の記事かと思いきや…「最後まで読むとアッ…系ステマ記事」

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最初は普通の記事だったのに、途中から突如として企業の商品やキャンペーン情報が出てくる記事を見たことはありませんか?例えば、前半部分では「疲れが取れるストレッチ」の方法を解説していたのに、急に特定のマッサージ店の話題がはじまり「今ならクーポン配布中です」とキャンペーン情報で終わるようなもの。読んでいると「なんだ、宣伝か」とガックリ来てしまう分かりやすいタイプです。

ステマ3 見抜くのは最上級に難しい「雰囲気作り系ステマ記事」

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花粉症シーズンの前に「今年の花粉の飛散量は去年の○○倍! 早めの対策を」なんてニュース記事を読んだことがありませんか?よくよく考えてみれば毎年「○○倍」と言われている気がする、なんて人もいるでしょう。夏の前には「今年は20年ぶりの猛暑! 念入りな熱中症対策を」など。これらのステマ記事には具体的な商品やサービスは登場しません。しかし季節を先取りしてユーザーに注意喚起することで「心の準備」をさせる。その後に出す新商品の情報をすんなり受け入れさせることが狙いのステマ手法なのです。

このステマを見抜くのはたいへん難易度が高いです。記事内で根拠として使用されるデータ・グラフが特定の企業制作のものであったら「もしかしたら……」と疑ってよいかもしれません。それでも可能性は五分五分ですが。

ステマ4 ティザー広告を紹介する「謎サイト発見したよ系ステマ記事」

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「ティザー広告」という手法をご存知でしょうか。ティザー広告は「要素をあえて明かさないことでユーザーを焦らし注意をひく広告」。とはいえせっかく作っても誰にも気づいてもらえないと「じらす」も何もありません。そんな時に「こんな謎のサイトがオープンしている」などとさも「ニュースサイトが見つけてきたかのように」ティザー広告を紹介する記事があったら、それはひょっとすると……。

ステマ5 それ実は商品の広告です「発売前にご紹介します系ステマ記事」

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文中の言い回しでいえば、よく見かけるのが「○○社の新製品を、発売前にお借りしてきました」。そもそも良好なつながりがなければ新製品をお借りすることはできないわけで良好な関係=広告費を受け取っている可能性があります。また「いまテレビや○○という雑誌でも紹介され、話題になっている……」という書き方がなされていることがありますが、媒体というものは「特定の理由」がなければ積極的に他媒体のことを紹介したりはしません。

ステマ6 5選の中の1つは広告かも「編集部が選ぶ◯◯5選系ステマ記事」

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最近、私自身よく使う便利な言い回しでいえば「父の日のおすすめギフト3選」「編集部が選んだコンビニスイーツ5選」というような商品紹介の仕方をするケース。そのうちひとつは広告主のものが紛れている可能性があります。3選、5選など複数の商品が紹介されるものの、その内のすべてが広告ではない、というのがユーザーを煙に巻くためのミソですね。

【形式】からステマ記事を見抜く

ステマ7 リロードしても同じバナーが…「広告と親和性がある記事」

内容だけでなく、記事の「周り」にも注目してみましょう。何度ページを更新しても、記事の横に張り付けられたバナーが変わらないことがあります。バナーと記事の内容に親和性はありませんか?もし記事で紹介されている商品のバナーが張り付けられていれば、その記事はステマと見て間違いないでしょう。

ステマ8 記事下にあるリンクをよく見ると…「関連記事はステマ記事」

記事の下部にも目を向けてください。多くのサイトでは、記事の直下に「この記事に関連する内容のリンク」として似たような記事に誘導するリンクが張られています。これを「関連記事リンク」と言います。先ほど紹介した「雰囲気作り系ステマ記事」の下部にはお金を出した広告主に関する記事リンクが大量に張られています。

まとめ

ウェブニュースのステマにおける様々な手法をご覧いただきました。これらの特徴・手法が登場したら即「ステマ」というわけではありませんが、ステマ記事を作る際に我々が留意しているポイントであることは間違いありません。もしかしたら…と思ったらぜひチェックするつもりで思い出してみてください。

ガチマ1 新書「ウェブニュース一億総バカ時代」もどうぞ

最後にステマではなくガチマことガチのマーケティング、宣伝です。さらに詳しいステマ制作の生々しい実情について知りたい方は、新書「ウェブニュース一億総バカ時代(税込864円)」をどうぞ。ネットではヤフーニュースぐらいしか読まないという皆さんに向けて分かりやすく書いた内容が各メディアで大評判です!

ガチマ2 7月16日に三田ゾーマ×中川淳一郎×常見陽平でイベントやります。

さらに宣伝で恐縮! 7月16日「【常見陽平の最強鬼畜カルチャースクール VOL.7】「“ウェブニュース一億総バカ時代”バトルロイヤル」三田ゾーマ×中川淳一郎×常見陽平」というイベントを五反田のゲンロンカフェにて行います。ナマの三田ゾーマが見られるのはあなたの人生で最後!チケットが残り少ないですが予定があえばぜひ。

※本文中に登場する記事画像はステマ記事をイメージして作成したフィクションです。

小林由依
日刊キャリアトレック編集部員。流通経済大学サッカー部で広報、livedoorニュースのトピックス編集を経て現職。好きな本は「オシムの言葉」。最近フジテレビがドラマの再放送をやらなくなって地味に悲しいです。